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文献詳細

雑誌文献

medicina17巻12号

1980年11月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント XII.精神疾患

ループス精神病 VS ステロイド精神病

著者: 原田憲一1

所属機関: 1信州大学医学部・精神医学

ページ範囲:P.2118 - P.2119

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なぜ鑑別が問題となるか
 ループス精神病は全身性エリテマトーデスの中枢神経症状である.稀に精神症状が,エリテマトーデスの身体症状に先行することがあるが,たいていは全身性エリテマトーデスの経過中に精神症状が現れてくる.したがって精神症状を示したエリテマトーデスの患者はほとんど常に治療として,すでにステロイド剤を投与されている.ステロイド剤を服用している人に精神症状が現れたとき,その精神症状はループス精神病なのか,ステロイド惹起性精神病なのかの鑑別が求められる.
 その上,ループス精神病とステロイド精神病とでは,治療方針が逆になる.後者ならステロイドを中止あるいは減量したいし,前者ならその必要はなく,むしろ増量が精神症状にも有益でありうる.両者の臨床鑑別が緊要な所以である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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