icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina17巻12号

1980年11月発行

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント

XIII.皮膚疾患

接触性皮膚炎 VS アトピー性皮膚炎

著者: 原田昭太郎1

所属機関: 1東京大学医学部・皮膚科

ページ範囲:P.2134 - P.2135

文献概要

なぜ鑑別が問題となるか
 接触性皮膚炎は原因物質との接触が避けられれば比較的短期間に治癒するし,また,将来の皮膚炎再発を防止できる.したがって,原因物質の検索が臨床的に非常に重要となる.一方,アトピー性皮膚炎では既存の皮膚症状に応じ,患者の年齢を考慮した適切な外用療法(幼小児の場合は全身的,局所的影響を考え,mildなコルチコステロイド外用剤の使用が好ましい)を行うとともに,治癒を遷延させる多くの悪化因子を可及的に避けるように患者(乳児,幼小児患者の場合は家族)を生活指導することが治療の大原則となる,このように両疾患では治療の方針が根本的に異なるので,正しい鑑別診断が必要となる.
 幸いにも,これら両疾患の鑑別診断は大多数の症例で容易であるが,成人期に発症し典型像を呈さないアトピー性皮膚炎,アトピー性皮膚炎の好発部位に生じた接触性皮膚炎,とくに慢性苔癬化病巣を呈する接触性皮膚炎などでは鑑別に難渋する場合がある.また,アトピー性皮膚炎患者に生じた接触性皮膚炎,とくに治療に用いた外用剤に含まれる成分により感作し,アトピー性皮膚炎病巣に接触性皮膚炎が重複した症例では接触性皮膚炎が見逃されやすい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら