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臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント XIII.皮膚疾患
悪性リンパ腫 VS Pseudolymphoma
著者: 山田瑞穂1
所属機関: 1浜松医科大学・皮膚科
ページ範囲:P.2136 - P.2137
文献購入ページに移動種々の程度に赤味を有し,皮表にすこし隆起し,皮下に浸潤を触れる限局性の皮膚病変で,生検をして真皮にリンパ細網系細胞の増殖の著しいものが問題となる.1つは悪性の腫瘍性増殖で,もう1つは良性の反応性の増殖であり,最終的には,いかに治療すべきか,とくに悪性リンパ腫に対する化学療法や放射線治療を実施するかどうかにかかわってくることが問題である.
リンパ球より大きい単核の細胞が細網細胞と呼ばれていた。そして,皮膚にリンパ球,細網細胞の増殖をきたすもので,悪性のものはリンパ肉腫,細網肉腫と,良性のものは細網症と称されていた。しかし,昔,細網細胞と呼ばれていた細胞はリンパ球の変形したものであることがわかってきた.ところで,一見腫瘍様にみえるが良性のものは,pseudolymphoma(Spiegler-Fendt),lymphocytoma cutis benigna,lymphadenosis benigna cutis(Bafverstedt),cutaneous lymphoid hyperplasia(Caro-Helwig)などと呼ばれ,虫さされなどに対する反応によると考えられているが,まったく原因不明のことも少なくない.
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