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文献詳細

雑誌文献

medicina17巻12号

1980年11月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント XIV.女性性器疾患

妊娠悪阻 VS 脳腫瘍

著者: 駒谷美津男1 須川佶1

所属機関: 1大阪市立大学医学部・産科婦人科

ページ範囲:P.2150 - P.2151

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なぜ鑑別が問題となるか
 妊娠と脳腫瘍の合併はきわめて稀ではあるが,絨毛癌のごとき脳転移をきたすものや,妊娠によって再発することがある下垂体腺腫,さらには増悪傾向のみられる髄膜腫,血管腫,神経線維腫など,脳腫瘍合併例においては早期診断および治療が必要となることがある.そして一般に妊娠初期においては,悪心や嘔吐が多くの妊婦に発現し,重篤になると妊娠悪阻という状態になることがある.したがって,妊娠初期にみられる悪阻症状としての頑固な嘔吐が妊婦に発現した場合,それが脳腫瘍による頭蓋内圧亢進症状である可能性も考慮し,両者の鑑別が必要となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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