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文献詳細

雑誌文献

medicina17巻12号

1980年11月発行

文献概要

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント XIV.女性性器疾患

卵巣腫瘍 VS 後腹膜腫瘍

著者: 鈴木正彦1 宮坂康夫1

所属機関: 1杏林大学医学部・産婦人科

ページ範囲:P.2168 - P.2169

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なぜ鑑別が問題となるか
 後腹膜腫瘍とは,後腹膜腔領域(壁側腹膜と後腹壁の間にある腰仙部領域に対する呼称)に発生する腫瘍をいうが,臨床の習慣上,女性性器・膵臓・腎臓・副腎・脊椎・脊髄などの原発性腫瘍は除外されるのが普通である.しかし,小児における後腹膜腫瘍では,Wilms腫瘍・副腎腫瘍なども含めて論ずることもある.
 実地臨床の上で,卵巣腫瘍との鑑別対象となる後腹膜腫瘍は,下腹部に発生するものである.この場合,その発生頻度などから後腹膜腫瘍を卵巣腫瘍・子宮筋腫などと誤診されることが多く,無雑作に開腹してはじめて後腹膜腫瘍を確認し,困惑させられることがある.後腹膜腫瘍は悪性頻度が高く,しかも肉腫などの悪性度の高い腫瘍が多いため,とくに慎重な取り扱いが必要とされる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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