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文献詳細

雑誌文献

medicina17巻12号

1980年11月発行

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント

XIV.女性性器疾患

子宮溜膿腫 VS 腸管腫瘍

著者: 水野正彦1

所属機関: 1東京大学医学部・産婦人科

ページ範囲:P.2174 - P.2175

文献概要

どのような場合に鑑別が問題となるか
 子宮潔膿腫は,子宮体の感染によって生ずる疾患で,いわゆる成熟期には,ほとんどの症例で子宮内操作や流産・分娩など感染を誘起する原因が先行し,また膿性帯下や発熱あるいは下腹痛などの婦人科的症状を訴えるので,腸管腫瘍との鑑別が必要となることは稀である。しかし,閉経以降の高年婦人では,子宮体癌による子宮溜膿腫が多く,この場合には先行する感染の原因が明瞭でなく,また頸管閉鎖のため膿性帯下もみられず,診断がむずかしくなることがある.
 一方,腸管腫瘍で下腹部中央に局在し,消化器系症状が著明でないものでは,当然ながら種々の下腹部腫瘤との鑑別が必要で,高年婦人の場合には子宮溜膿腫と鑑別しなければならないことがある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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