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文献詳細

雑誌文献

medicina17巻12号

1980年11月発行

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント

XV.小児疾患

流行性耳下腺炎 VS 伝染性単核球症

著者: 南谷幹夫1

所属機関: 1東京都立駒込病院・感染症科

ページ範囲:P.2180 - P.2181

文献概要

なぜ鑑別が問題となるか
 この両者は頸部リンパ節腫脹をみることが多く,流行性耳下腺炎では病初期の顎下リンパ節腫脹のみを認めるとき,あるいは耳下腺腫脹がなく舌下腺や顎下腺の腫脹を認めるときは鑑別すべき疾患となる.両疾患とも小児期にみる急性熱性感染症であるが,その頻度は流行性耳下腺炎のほうが伝染性単核球症よりもはるかに多い.
 流行性耳下腺炎はムンプスウイルスによる幼児,学童に多くみる唾液腺炎であるが,睾丸や膵臓などの腺組織を侵すばかりでなく,中枢神経系合併症を伴うことも少なくなく,むしろ全身性感染症として取り扱うべきである.伝染性単核球症はEBウイルスを原因とする全身リンパ節腫脹,扁桃炎,肝脾腫を主徴とする疾患であり,近年その病原が確立されたが,西日本では本症に類似した地方病的に発生する腺熱リケッチア症がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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