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文献詳細

雑誌文献

medicina17巻12号

1980年11月発行

臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント

XV.小児疾患

血管性紫斑病 vs ITP

著者: 西村昂三1

所属機関: 1聖路加国際病院・小児科

ページ範囲:P.2188 - P.2189

文献概要

なぜ鑑別が問題となるか
 両者とも小児に比較的しばしばみられる疾患であるが,ともに紫斑病なる病名でよばれるため混同されやすい.血管性紫斑病はSch6nlein-Henoch紫斑病,アナフィラキシー様紫斑病,アレルギー性紫斑病ともよばれ,免疫機構の関与した血管炎症候群のひとつで血液疾患ではない.一方,ITP(Idiopathic thrombocytopenic purpura特発性血小板減少性紫斑病)は血小板減少を主徴とする血液疾患で,急性型と慢性型がある.血管性紫斑病にも何年にもわたり発疹(紫斑)の出没をくり返す慢性型のものもあるが,きわめて稀で,また腎合併症を起こしたものの中に慢性の腎症状を示すものもある.
 これら両紫斑病の発疹の形態は鑑別上重要で,通常は視診だけでも鑑別可能のことが多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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