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文献詳細

雑誌文献

medicina17巻13号

1980年12月発行

文献概要

今月の主題 内科医に必要な脳神経外科の知識 今日の治療

手根管症候群

著者: 橘滋国1

所属機関: 1北里大学医学部・脳神径外科

ページ範囲:P.2302 - P.2303

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はじめに
 手根管症候群は,手根骨と手根靱帯(flexorretinaculum)によって形成される手根管内で正中神経が圧迫されることによって起こる.症例のほとんどは成人女性で(男女比=1:10),また,注意してみるならば,日常診療でしばしば経験するきわめて頻度の高い疾患である.しかしながら,激しく苦痛を自覚するわりに,他覚的所見は軽微なことが多く,これがしばしば診断を誤る大きな原因となる.本症は,単純な神経に対する機械的圧迫によるもののみならず,妊娠,甲状腺機能低下症,膠原病,アミロイドーシス,末端肥大症,痛風など,各種疾患による神経周囲の軽微な炎症や,浮腫により誘発される.いずれの場合にも,一たび診断が得られれば,その治療は困難なものではなく,また外科的治療により根治しうるものである.したがって,治療の第1歩は,正確な診断であろう.ここではまず診断のコツといったものからあげてみよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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