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紫煙考
愛煙家のつぶやき—連載を読み終えて
著者: 太田怜1
所属機関: 1三宿病院・循環器科
ページ範囲:P.2368 - P.2369
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昔はどこの家へ行っても,応接間には大概煙草セットがあった,客に煙草をすすめ,亭主も一服つけるのが,いわば礼儀であった.今は煙草嫌いのアメリカ人も,終戦後日本を占領していたときは,自分が煙草をのむより前に,必ず相手に煙草をすすめてくれたものである.
ところが今は,相手に煙草をすすめるどころではない.自分で喫うときでも,相手にことわらなければならないだろう.公共の場所は,そういう事前の承諾がないので,喫うほうに罪の意識がある.昔は街を歩きながらでも平気で煙草を喫っていられた.今はある種の後めたさがある.一体,これはどうしてであろうか.
昔はどこの家へ行っても,応接間には大概煙草セットがあった,客に煙草をすすめ,亭主も一服つけるのが,いわば礼儀であった.今は煙草嫌いのアメリカ人も,終戦後日本を占領していたときは,自分が煙草をのむより前に,必ず相手に煙草をすすめてくれたものである.
ところが今は,相手に煙草をすすめるどころではない.自分で喫うときでも,相手にことわらなければならないだろう.公共の場所は,そういう事前の承諾がないので,喫うほうに罪の意識がある.昔は街を歩きながらでも平気で煙草を喫っていられた.今はある種の後めたさがある.一体,これはどうしてであろうか.
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