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文献詳細

雑誌文献

medicina17巻2号

1980年02月発行

文献概要

今月の主題 末梢性ニューロパチー 基礎知識・グラフ

末梢性ニューロパチーの病理

著者: 朝長正徳1

所属機関: 1東京都老人総合研究所・臨床病理学部第2研究室

ページ範囲:P.171 - P.173

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病理学的検査の実際
 末梢神経障害を診断するためには,臨床的には運動ニューロンの障害,知覚障害さらに自律神経障害の有無を検索せねばならない.これに対応する診断上の病理学的検査は,末梢神経および筋(時には皮膚も)のバイオプシーである.末梢神経生検には主として腓腹神経sural nerveが用いられる.生検時,神経を切断せずに短冊状に切りとる(fascicular biopsy).腓腹神経は主として知覚神経よりなり,sensoryあるいはsensory-motor neuropathyでは診断的価値があるが,motor neuropathy,motor neuron diseaseではふつう変化が少ない.この場合には筋生検による筋萎縮の状態(神経原性変化),筋内神経枝の変化をしらべる.
 腓腹神経生検は正常対照の所見が報告されているので,病的状態の判定にきわめて有用であるが,あくまでも末梢神経の末端の一部をみているにすぎず,末梢神経全体の病理像を把握するためには,剖検材料による神経細胞,根,神経近位部・遠位部,末端(筋終板,知覚終末など)について三次元的に把握する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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