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文献詳細

雑誌文献

medicina17巻2号

1980年02月発行

文献概要

今月の主題 末梢性ニューロパチー 中毒性末梢神経障害

ビンクリスチン

著者: 松岡幸彦1

所属機関: 1名古屋大学医学部・第1内科

ページ範囲:P.208 - P.209

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はじめに
 中毒性末梢神経障害のうちで,医薬品によるものは近年重要な位置を占めており,社会的な関心を集めているものも少なくない.
 ビンクリスチン(Vincristine,以下VCRと略)は,キョウチクトウ科の植物ツルニチニチソウから抽出されたアルカロイドで,細胞分裂抑制効果のあることが見出され,現在とくに白血病や悪性リンパ腫の治療薬として広く使用され,大きな効果をあげている.その副作用としては,脱毛,胃腸障害,麻痺性イレウス,貧血,白血球減少,皮膚落屑なども知られているが,そのなかでも末梢神経障害は発現頻度が高く,重要なものの一つである.したがってVCRを投与中の患者では,常に末梢神経障害の発現を念頭に置き,観察を怠らないようにしなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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