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文献詳細

雑誌文献

medicina17巻2号

1980年02月発行

文献概要

Laboratory Medicine 異常値の出るメカニズム・23

甲状腺ホルモン

著者: 屋形稔1 三国龍彦2

所属機関: 1新潟大学医学部・中央検査部 2新潟鉄道病院・内分泌内科

ページ範囲:P.268 - P.271

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甲状腺ホルモンの分泌と測定
 甲状腺からはサイロキシン(T4)とトリヨードサイロニン(T3)の2種のホルモンが分泌される.その産生分泌は下垂体TSHの支配をうけているが,バセドウ病の原因と目されるLATS-PやISIといった免疫グロブリンや,絨毛性疾患にみられるTSH様物質によっても刺激されるし,甲状腺内腫瘍が自律性にホルモン産生をすることもある.血中のT3は量的にはT4の1〜2%にすぎないが,生物学的活性はT4の数倍の強さをもっている.またT3は甲状腺から分泌されるばかりでなく,むしろその大部分は末梢においてT4から転換されることが明らかになっている.すなわちT4は脱ヨードされてT3とリバースT3(rT3)となり,さらにT2とT1へ代謝されるが,T3,T4を除いてはホルモン活性をもっていない.また血中のT3,T4はほとんどすべて血清蛋白と結合して循環している.しかし生物学的に真の活性を有するのはこれら蛋白に結合しているホルモンではなく,遊離型のホルモンであって,これをfree T3(FT3)およびfree T4(FT4)とよんでいる.FT4においては全T4濃度のわずか0.03%程度にすぎないが,これらが最もよく甲状腺機能を反映しているといえよう.
 甲状腺ホルモンは有機ヨード化合物であるから,血中ホルモン濃度はこのT4結合蛋白(TBP)中のヨードを測定することで間接的に知ることができる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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