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文献詳細

雑誌文献

medicina17巻3号

1980年03月発行

文献概要

今月の主題 肺の炎症性疾患—最近の動向 診断

日和見感染—とくにPneumocystis carinii肺炎について

著者: 森健1 池本秀雄1

所属機関: 1順天堂大学医学部・内科

ページ範囲:P.334 - P.338

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はじめに
 相次ぐ抗生剤の開発により,病原性の強い微生物の感染症は,早期治療が行われるかぎり,ほぼ治癒させることができるようになった.一方,種々の薬物療法などの進歩によって,白血病などの重篤疾患を有する患者の延命効果が期待できるようになった.これらの結果,新たに出現したものがopportunistic infectionsである.これは宿主の正常細菌叢を構成している微生物や,平素無害と考えられている菌,あるいは雑菌とされている外因性微生物によって惹起される感染症である.このop portunistic infectionsに対する訳語としては,日和見感染がよく用いられているようである1)
 以下日和見感染の概略について述べ,その代表的疾患の1つとして,最近とくに注目されているPneumocystis carinii肺炎を取り上げてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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