icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina17巻3号

1980年03月発行

今月の主題 肺の炎症性疾患—最近の動向

治療

肺結核の短期強力療法

著者: 今野淳1 萱場圭一1

所属機関: 1東北大学抗酸菌病研究所・内科

ページ範囲:P.384 - P.385

文献概要

はじめに
 結核の治療には初回化学療法が最も重要であり,初回化療は有効かつ強力に行うことが再発を防ぐ上からも大切である.従来の標準的な初回化療の治療方針としては,速やかに入院の上,SM,PAS,INH三者併用療法を最低1年以上行い,その後次第に軽快し活動性病変が認められなくなれば,PAS,INH併用,さらにはINH単独と漸減する,ただし重症な場合は最初の1〜3ヵ月SMを毎日使用することになっている.しかし,それでも排菌の止まらない治療失敗例がたまたまみられた.しかるにその後EBが出現し,またさらに強力なRFPが使用されるに及んで,SM,PAS,INHの代りに,SM,INH,RFPまたはEB,INH,RFPの強化三者併用療法を初回から用いれば重症例でも早期に100%の菌陰転をみ,X線基本病変,空洞改善率にもすぐれ,また入院および治療期間も短縮でき,再発率も少なく,初回化療の失敗を防ぐことができることがわかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら