icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina17巻5号

1980年05月発行

文献概要

今月の主題 甲状腺疾患診療の進歩 Graves病

非外科的治療

著者: 五十嵐徹也1 尾形悦郎1

所属機関: 1東京大学医学部・第4内科

ページ範囲:P.710 - P.715

文献購入ページに移動
診断
 Graves病の治療を行うにあたり,正しい診断が最も重要なことはいうまでもない.理学所見からhyperthyroidismが疑えるときには,表11,2)に掲げた疾患に注意を払えばよい.hyperthyroidismがこれらのどれに由来するかは,①strumaの有無とその性状,②付随症状(眼症状など)の有無,および,③病歴より比較的容易に判断でき,①T3,T4,T3-RU,②自己抗体,③131I-uptake,④TSHを調べることによって,ほぼ確定することができる.臨床的に問題となる診断上の注意すべき点は,①masked toxicosis,②hyperthyroiditis,③妊娠時,④若年者,⑤新生児であろう.
 hyperthyroiditisは,subacute thyroiditisなどに一過性に見られるもので,病歴を詳細に聴取することが必要で,疑わしい場合は,131I uptake,血沈によって確実になる.このときは,治療法として抗甲状腺剤を使ってはならないことから,とくにこの診断には注意を要する.他の項については後述する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら