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紫煙考
ニコチンの薬理作用
著者: 柳田知司1
所属機関: 1実験動物中央研究所付属前臨床医学研究所
ページ範囲:P.816 - P.818
文献購入ページに移動●ニコチンの自律神経作用
ニコチンが自律神経節に作用する薬物であることはよく知られている.そのため末梢血管の収縮や心拍数増加,血圧上昇などの循環器作用と,胃腸管運動の高進などの消化器作用がみられる.
ニコチンの薬理作用が複雑なのは,最初に神経節細胞を脱分極し,このとき交感,副交感両神経の刺激効果を現すが,ニコチンはアセチールコリンのように速やかには分解されないので脱分極状態が持続し,節細胞はアセチールコリンに応答できなくなり自律神経遮断作用がみられることである.すなわち,ニコチンは自律神経系の機能を作用の初期には刺激し,後には抑制するということができる.
ニコチンが自律神経節に作用する薬物であることはよく知られている.そのため末梢血管の収縮や心拍数増加,血圧上昇などの循環器作用と,胃腸管運動の高進などの消化器作用がみられる.
ニコチンの薬理作用が複雑なのは,最初に神経節細胞を脱分極し,このとき交感,副交感両神経の刺激効果を現すが,ニコチンはアセチールコリンのように速やかには分解されないので脱分極状態が持続し,節細胞はアセチールコリンに応答できなくなり自律神経遮断作用がみられることである.すなわち,ニコチンは自律神経系の機能を作用の初期には刺激し,後には抑制するということができる.
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