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Laboratory Medicine 異常値の出るメカニズム・27
インスリン,Cペプチド
著者: 屋形稔1 三国龍彦2
所属機関: 1新潟大学医学部・中央検査部 2新潟鉄道病院・内分泌内科
ページ範囲:P.938 - P.940
文献購入ページに移動インスリンの分泌は膵ラ島B細胞において,まずプレプロインスリンが生成され,ついでプロインスリンに転化し,これがインスリンとCペプチドに分解されて放出される.このとき,プロインスリン1分子からインスリンとCペプチド各1分子が産生されるため,血液中にこの両者はほぼ平行して存在する.しかし,図1のように,インスリンは門脈を経て肝を通過し,ここで一部不活性化されるのに対し,Cペプチドは分解されずにそのまま血中に放出され,大部分腎において代謝されるので,血液中では必ずしも等モルではないし,肝疾患ではインスリンの比率が高くなり,腎不全などでは逆にCペプチドが優位となりうる.血液中にはこのほか,プロインスリンや他の分解産物も少量ながら認められる.
インスリンの分泌は表に示すような種々の因子によって刺激あるいは抑制をうけている.3大栄養素をはじめ各種のホルモンや陽イオンによって促進されるほか,自律神経系の調節をうけている.したがって,日中のインスリン濃度は食事やストレスによって激しく変動するのは当然であるが,空腹時における基礎レベルはほぼ一定した値をとる.この基礎分泌に性差は認められず,加齢による影響も少ない.
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