文献詳細
文献概要
今月の主題 アレルギーの現況 いろいろなアレルゲン
食物
著者: 柴崎正修1
所属機関: 1筑波大学臨床医学系・小児科
ページ範囲:P.1022 - P.1023
文献購入ページに移動はじめに
食物アレルギーは,ある種の症状や病気が特定の食物の除去により軽快し,再投与によって再び出現することにより診断されている.しかし,食物アレルギーといっても,免疫学的反応系が必ずしも明らかでない場合も多く,厳密には不耐性と呼ぶべきものが少なくない.近年,食物に対する特異IgE抗体のin vitroでの検出法が開発されるようになって1),食物アレルギーもまた狭義の意味で遺伝素因の上に成立し,血液中に特異IgE抗体を証明できるアトピー性疾患の一つであると考えられるようになってきた.しかしながら,食物アレルギーは,IgEが発見される以前から,主として血球凝集反応やゲル内沈降反応で研究されており,IgG, IgM抗体によっても惹き起こされる可能性を示している.また,最近では,細胞性免疫反応のin vitroの測定法が食物抗原でも行われるようになり2),食物アレルギーにおける遅延型アレルギーの関与が示唆されている.以上のように食物アレルギーの病態は多種多様であるが,ここではI型の食物アレルギーを中心にのべる.
食物アレルギーは,ある種の症状や病気が特定の食物の除去により軽快し,再投与によって再び出現することにより診断されている.しかし,食物アレルギーといっても,免疫学的反応系が必ずしも明らかでない場合も多く,厳密には不耐性と呼ぶべきものが少なくない.近年,食物に対する特異IgE抗体のin vitroでの検出法が開発されるようになって1),食物アレルギーもまた狭義の意味で遺伝素因の上に成立し,血液中に特異IgE抗体を証明できるアトピー性疾患の一つであると考えられるようになってきた.しかしながら,食物アレルギーは,IgEが発見される以前から,主として血球凝集反応やゲル内沈降反応で研究されており,IgG, IgM抗体によっても惹き起こされる可能性を示している.また,最近では,細胞性免疫反応のin vitroの測定法が食物抗原でも行われるようになり2),食物アレルギーにおける遅延型アレルギーの関与が示唆されている.以上のように食物アレルギーの病態は多種多様であるが,ここではI型の食物アレルギーを中心にのべる.
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