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Laboratory Medicine 異常値の出るメカニズム・28
アンドロジェン
著者: 屋形稔1
所属機関: 1新潟大学医学部・中央検査部
ページ範囲:P.1108 - P.1110
文献購入ページに移動血中のアンドロジェンには,主として副腎皮質から分泌されるアンドロステロン(An),デハイドロエピアンドロステロン(DHEA),DHEA sulfate(S),エチオコラノロン(Et)などと,睾丸から産生されるテストステロン(TS)が存在する.前者はコルチゾールと同様に,ACTHの調節をうけるが,フィードバック機構図(本誌16巻10号)に示したようにネガティブフィードバック作用はなく,いわゆるopen loopの形をとっている.この生合成は副腎網状層で行われ,図1のごとくプレグネノロンから17-OHプレグネノロン,DHEAを経てアンドロステンジオン(A-dione)にいたる経路であるが,量的にもかなりの量で,副腎産生TSも含めて女性の主要アンドロジェンの分泌源となる.
TSはLHによって生成維持されるもので,LHはLeidig細胞でc-AMPの生成増大,蛋白合成増加をきたし,これが刺激となってTSを産生すると考えられる,TSはまたLH,FSHの分泌を抑制するネガティブフィードバック作用を有し,末梢組織でデハイドロテストステロン(DHT)という強い抑制力をもつ活性型に転換される(本誌17巻1号).
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