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文献概要
今月の主題 今日の血液形態学 赤血球の形態異常
Spur cell anemiaと肝障害
著者: 前沢政次1
所属機関: 1自治医科大学・内科
ページ範囲:P.1170 - P.1171
文献購入ページに移動はじめに
肝障害によっておこる赤血球の形態学的変化として知られているのは,target cellとspur cellである.target cellは閉塞性黄疸の際にしばしば認められるが,それによって貧血をきたすことはない.一方,spur cell anemiaは主としてアルコール性肝硬変で認められ,黄疸と脾腫が存在し,中等度の貧血(Hbで5.5〜10g/dl),網赤血球50〜150‰および赤血球寿命の著明な短縮がある1).また,赤血球の滲透圧脆弱性試験ではほぼ正常範囲だが,一部に抵抗の強いもの,脆弱性の亢進したものを認める.
肝障害によっておこる赤血球の形態学的変化として知られているのは,target cellとspur cellである.target cellは閉塞性黄疸の際にしばしば認められるが,それによって貧血をきたすことはない.一方,spur cell anemiaは主としてアルコール性肝硬変で認められ,黄疸と脾腫が存在し,中等度の貧血(Hbで5.5〜10g/dl),網赤血球50〜150‰および赤血球寿命の著明な短縮がある1).また,赤血球の滲透圧脆弱性試験ではほぼ正常範囲だが,一部に抵抗の強いもの,脆弱性の亢進したものを認める.
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