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文献詳細

雑誌文献

medicina17巻8号

1980年08月発行

文献概要

今月の主題 今日の血液形態学 白血病細胞の形態学

Refractory anemia with excess of myeloblasts

著者: 朝長万左男1

所属機関: 1長崎大学医学部付属原爆後障害医療研究施設・後障害治療部門

ページ範囲:P.1208 - P.1210

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概念
 骨髄における病的骨髄芽球の増加により診断された急性骨髄性白血病AMLの大部分は急性の経過をとるが,一部には比較的緩慢に経過するsmouldering typeやlow percent(oligoblastic)typeなどの非定型例が存在する.しかしこれらも,その生存が無治療で年余に達することは稀である.一方,数カ月〜数年の血球減少症の期間を経てAMLに移行した症例のretrospectiveな研究により前白血病状態(preleukemic states)の概念が確立されているが,近年はこれをprospectiveに診断する方向にあり,preleukemic syndrome1)やhemopoietic dysplasias2〜4)などの診断名が用いられつつある.
 1970年フランスのDreyfus3)らは,非定型的白血病とpreleukemic statesの境界領域にあると思われる症例を多数検討し,末梢血では血球減少症(時に幼若顆粒球の出現をみる)が存在し,骨髄では10〜40%の骨髄芽球(原著ではmyeloblast+promyelocyteの和で幼若顆粒球群の意)の増加を伴って各成熟段階の顆粒球が成熟障害像を示しつつ存在する,一見AMLを思わせる症例の中に,無治療で年余にわたって生存する症例のあることに注目した.そしてこれらの症例は,AMLの過半数に寛解をもたらす通常の化学療法にもほとんど反応しない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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