文献詳細
文献概要
今月の主題 糖尿病診療の現況 発症機序
Low insulin responders
著者: 小坂樹徳1
所属機関: 1東京大学医学部・第3内科
ページ範囲:P.22 - P.23
文献購入ページに移動 糖尿病は単一の原因によって起こる均一な疾患ではなく,遺伝的・環境的に異なる機序によって発症してくる不均一な疾患カテゴリーであることが判明してきた.糖尿病はインスリン依存症(IDDM)と非インスリン依存症(NIDDM)とに大別されるが,IDDMばかりでなくNIDDMでも,発症の基本的機構はインスリン不足であるという古い考え方が,最近改めて重視されてきた.
すなわち,NIDDMではグルコースに対するβ細胞の反応性が低下しており,とくにトルブタミド,グルカゴン,イソプロテロノールなどの分泌刺激には反応するearly diabetesあるいはそれ以前のprediabetic stateにおいても,グルコース負荷後の血中インスリン反応は本来subnormal(low insulin response)であることが指摘された(Ceraseら1967,小坂1967).
すなわち,NIDDMではグルコースに対するβ細胞の反応性が低下しており,とくにトルブタミド,グルカゴン,イソプロテロノールなどの分泌刺激には反応するearly diabetesあるいはそれ以前のprediabetic stateにおいても,グルコース負荷後の血中インスリン反応は本来subnormal(low insulin response)であることが指摘された(Ceraseら1967,小坂1967).
掲載誌情報