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文献詳細

雑誌文献

medicina18巻1号

1981年01月発行

天地人

知らぬ私が悪いのか

著者:

ページ範囲:P.177 - P.177

文献概要

 「みれる」とか「みれない」ということばは,文法的にいっても誤りであり,今は,われわれのような年輩のものはそれが耳ざわりで,どうにもいやなことばだという感じがするのですけれども,しかし,これも「みれる」「みれない」「起きれる」「起きれない」ということばが一般化してくれば,それを防ぐ道はないわけでございます(池田弥三郎・元慶大教授著『ゆれる日本語』).
 国鉄をはじめ私鉄の大部分の駅では,「発車をいたします」,「停車をします」だの「到着をします」などと放送しており,まことに耳ざわりである.福田恒存他編による『死にかけた日本語』(英潮社刊)では,『これらは名詞であるが本来動詞であるから,「発車します,到着します」でさしつかえない上に,そのほうが簡単明瞭で,言葉づかいとしても自然である』と述べている.「—をする」は政治家諸侯が好み,一国の大代表たる宰相も,実現をしたい,考慮をしたい,計画をしていない,などと使っているが,をは不要である.選良諸侯は,を入れることによって重重しくしているつもりであろうが,たとえ誤りでないとしても不自然なことである.最近ではNHKあたりでも「—れる」「—をする」を採用しているようだが,NHKはお気付きか.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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