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文献詳細

雑誌文献

medicina18巻10号

1981年10月発行

図解病態のしくみ 消化器疾患・20

肝性脳症の病態生理

著者: 松枝啓1

所属機関: 1国立病院医療センター・消化器内科

ページ範囲:P.1775 - P.1781

文献概要

 Hepatic Encephalopathy(肝性脳症)は,Hippocratesによっても記載されているが,最初の臨床的記述はShakespeareの"Twelfth Night"において記されている.すなわち,アルコール中毒のSir Andrew Aquecheekの台詞で,"I'm a great eater of beef,but believe it does harm to my wit"と述べているが,これは蛋白の摂取によりHepatic Encephalopathyが惹起されることを初めて記載したものである.このように,Hepatic Encephalopathyは古来より存在したことは明らかであり,その頻度も近代になり増加の傾向にある.わが国においても,近年食生活の欧米化に伴い蛋白摂取量が増加したためか,日常の診療においてしばしばこのHepatic Encephalopathyに遭遇する.このHepatic Encephalopathyの合理的治療は,その病態生理を正しく理解することにより可能となる.すなわち,今月号ではHepatic Encephalopathyの病態生理を述べ,来月号ではその病態生理に基づく合理的治療法について述べたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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