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文献詳細

雑誌文献

medicina18巻11号

1981年11月発行

文献概要

今月の主題 白血病—最新の概念と治療 診断

初期診断

著者: 長村重之1 井口祐三1

所属機関: 1東京医科大学・第1内科

ページ範囲:P.1859 - P.1861

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 白血病,ことに急性白血病は,初診時見逃すことなく的確に診断を下し,適切な多剤併用化学療法を施すことが予後を改善するうえに重要なことはいうまでもない.現在,急性白血病の5年以上生存例が小児を含めて500例を超えている状況下において,とくに初期診断が重要である.
 一般に急性白血病の臨床症状の発現は,造血組織における白血病細胞の増殖の度合と他の臓器への白血病細胞の浸潤の有無によって左右される.通常,末梢血液および骨髄における白血病細胞の増殖によって,生体を防衛する正常の造血組織の増殖が抑制されるために,種々の程度の貧血,顆粒球減少,血小板減少をきたす.時には汎血球減少をきたすことも稀でない.それにより貧血,感染症,出血傾向という主要症状が出現し,さらに白血病細胞の浸潤による肝脾腫,リンパ節腫,中枢神経白血病が進展し,種々の症状が出現するに至るのである.したがって,これらの症状が出現した場合,いち早く血液検査を行うことが重要な意味があるが,偶然の機会に血液検査をうけて白血病が発見される場合も40%近くあって案外多い.通常,血液検査のきっかけとなる場合は貧血症状が一番多く,倦怠感,発熱などがこれに次ぎ,口腔症状・骨痛・出血傾向なども血液検査をうける動機となっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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