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文献詳細

雑誌文献

medicina18巻11号

1981年11月発行

今月の主題 白血病—最新の概念と治療

新しい概念

hemopoietic dysplasia

著者: 山口潜1

所属機関: 1虎の門病院・血液科

ページ範囲:P.1874 - P.1875

文献概要

概念
 急性白血病の早期兆候についてはじめて記載がみられるのは,1940年代のフランスの文献であるといわれている(Dustin MP 1944,Marchal Gら1944).1949年,Halnilton-Paterson JLはActa Haematol 2:309に,"preleukaemic anaemia"という診断を記載している.以前にはいわゆるpreleukemic syndromeは稀なものと考えられていたが,最近では稀な病態ではなく,Linman JWら1)(1978)は米国で年間1,500例の新患が発生していると想像している.
 従来,白血病は1つのcell line,たとえば顆粒球系がおかされる病態と考えられてきたが,慢性骨髄性白血病に比較的に特異性をもって観察される染色体異常―Ph1染色体―が,顆粒球系のみならず赤芽球・巨核球にもみられることが確認され,慢性骨髄性白血病も3系統の全血球系の腫瘍と解されるようになった.急性骨髄性白血病の診断時にも,単球系・赤芽球系,巨核球系の腫瘍性増殖が疑われる所見をみることが多く,「汎骨髄症」の進展中の一断面をみているという解釈もなされている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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