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文献概要
今月の主題 白血病—最新の概念と治療 新しい概念
高齢者白血病
著者: 勝沼英宇1 和田斉1 宮本佳則1 仙場教三1 佐貫稔1 鈴木千里1
所属機関: 1東京医科大学・老年病学
ページ範囲:P.1885 - P.1887
文献購入ページに移動加齢とともに臓器の機能が低下するということは,Shockのすぐれたvertical stasticsによって,もはや誰もこれを疑うものはない.すなわち彼らによれば,人の生理機能は30歳をピークとして,以後肺,腎,心の順位に年とともに低下し,60歳には1/3〜1/2に,80歳にはほぼ1/2に低下するという.造血機能もまた同様で,Custerも骨髄における造血機能は60代で1/3に低下すると報告しており,筆者らの教室における研究成績もほぼ同じである.このように加齢に伴って造血機能が低下してゆけば,これを基盤にして発病する血液疾患は,臓器機能が低下していない青壮年者の疾患と病態,治療に対して反応像が異なることは考えられよう.事実,老人の白血病では病型,臨床像,治療などが青壮年と異なっている.
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