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文献詳細

雑誌文献

medicina18巻11号

1981年11月発行

カラーグラフ 臨床医のための内視鏡—パンエンドスコープ

上部消化管の潰瘍性病変の経過

著者: 小沢昭司1 東京消火器病研究会・有志 関東逓信病院・消化器内科

所属機関: 1小沢胃腸科

ページ範囲:P.1930 - P.1931

文献概要

 胃潰瘍と十二指腸潰瘍とをあわせると,その頻度は上腹部の異常を訴えて外来を訪れる患者の約20%に及ぶ.胃腸科を標榜する筆者のクリニックでは,最近の2年間にX線検査に先行して内視鏡検査(細径前方視鏡によるpanendoscopy)を実施したものが2,348名ある.このうち胃潰瘍,十二指腸潰瘍をもったものは表の左側のようである.
 消化性潰瘍は病理組織学的にその欠損の及ぶ深さからUl1〜Ul4に分類されており,また内視鏡的にはその治癒経過を活動期(A1,A2),治癒過程期(H1,H2),瘢痕期(S1,S2)に分類するのが一般のようである.これらの2つの分類を重ねあわせて潰瘍の治癒経過を推測する指標とすることができるように思う.潰瘍の内視鏡診断をするにあたって,Ul1〜Ul4をそれぞれ正確に識別することは困難であり,また治癒過程を例えばH1とH2とにわけて臨床上異なった対応をしなければならないという根拠も乏しい.そこで潰瘍性病変をみたときは浅いものか深いものか,また活動期のものか治癒過程期のものか,すでに瘢痕になっているものかというように簡潔な把握で十分に日常診療の用に足りると信じている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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