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文献詳細

雑誌文献

medicina18巻11号

1981年11月発行

文献概要

図解病態のしくみ 消化器疾患・21

肝性脳症の治療

著者: 松枝啓1

所属機関: 1国立病院医療センター・消化器内科

ページ範囲:P.1933 - P.1938

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 最近では,先月号で述べたような肝性脳症の病態生理に基づいた合理的療法が可能になってきたが,その治療の目標は,動脈血中のアンモニアの濃度の低下をはかることである.しかし,先月号で述べたように,肝性脳症の発生原因としては多数のトキシンやトキシンのグループが考えられ,血中アンモニアの濃度を低下させることが必ずしも治療効果を上げることにならないと考えられるかもしれない.しかし,アンモニア以外の大多数のトキシンも先月号で述べたように腸内細菌により産生されるし,また代謝されてアンモニアに転換されるものもあるため,腸管内のアンモニアの産生を抑制する治療自体がそれらのトキシンに対する治療と一致する部分もあり,アンモニアに対する治療が現在でも肝性脳症の治療の主流である.
 肝性脳症の治療として最近とくに注目されてきたのが,血中アンモニア濃度を合理的に下げる"Lactulose"と血中アミノ酸の組成異常を是正する"Fisher's Solution"である.しかし,肝性脳症の対策は表1に示したように,従来からの療法をも含めて系統的治療が行われるべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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