medicina18巻12号

1981年11月発行

臨時増刊特集 臨床医のためのCTスキャン 天幕上腫瘍

扉

著者： 町田徹¹ 前原忠行¹

所属機関： ¹東京大学医学部・放射線科

ページ範囲：P.2051 - P.2051

　われわれの施設にコンピュータ断層撮影（CT）が導入されて，すでに約5年が経過した．その間に多数の臨床例が経験され，いまや脳腫瘍のみならず脳疾患の診断にCTは欠くことのできない検査手段としての位置を占めるに至った．とくに腫瘍の検出率は高く，造影後のCTを行うと，ほとんど100％に近い診断率を得ることができる．しかし，腫瘍の質的診断に関しては，血管造影や断層撮影による情報が非常に大切である．
　本稿では天幕上腫瘍について述べるが，まず他検査との比較という意味でCTと血管造影などの相違点に触れ，各腫瘍の組織別のCT所見は後でごく簡単に解説するにとどめる．したがって，掲載される症例は必ずしも組織別に配列されるわけではないので，一部前後することもあり，いささか見にくい点もあるかもしれない．最初にお断わりしておく．