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文献概要
臨時増刊特集 臨床医のためのCTスキャン 肝臓(上腹部の正常解剖を含めて)
肝のう胞
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所属機関:
ページ範囲:P.2191 - P.2191
文献購入ページに移動症例1 多発性肝のう胞(図33)
肝内に大きさの異なる多数の円形陰影が見られる.小さいものは5mmを割る.辺縁は平滑で,小さいものはより濃度が高くなっている.これはpartial volume phenomenonによる.さらに肝の外縁に接し,数個の類円形の高度の低濃度影が認められ,前方の1個は明らかに肝内にある.本例は開腹手術後であるので,肝周囲に残存する空気によるものと思われる.しかし肝内になぜ空気が入ったかは説明がつかない.
CTでは説明のつけられない像にしばしば遭遇する.あるものは解剖学より,あるものはCTの知識そのものが増えることで解決される.不明のものはこじつけずに記録,記憶し,解決しようとする努力を放棄してはならない.
肝内に大きさの異なる多数の円形陰影が見られる.小さいものは5mmを割る.辺縁は平滑で,小さいものはより濃度が高くなっている.これはpartial volume phenomenonによる.さらに肝の外縁に接し,数個の類円形の高度の低濃度影が認められ,前方の1個は明らかに肝内にある.本例は開腹手術後であるので,肝周囲に残存する空気によるものと思われる.しかし肝内になぜ空気が入ったかは説明がつかない.
CTでは説明のつけられない像にしばしば遭遇する.あるものは解剖学より,あるものはCTの知識そのものが増えることで解決される.不明のものはこじつけずに記録,記憶し,解決しようとする努力を放棄してはならない.
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