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臨時増刊特集 臨床医のためのCTスキャン 膵臓
膵炎
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ページ範囲:P.2231 - P.2236
文献購入ページに移動CTが偉力を発揮するのは,高度膵炎に続発する膵周囲への浸潤の拡がり,膿瘍,仮性のう胞の形成をとらえることである.膵後面には前腎筋膜(Gerota's fascia)があり,腎と境され,膵側はanterior pararenal spaceと呼ばれる.一方,前方は腹膜で網のうに囲まれ,左側方は下行結腸に隔てるものなく移行する.したがって高度の膵炎が生ずると,浸出液,出血壊死はこのスペースに充満する.逆にこの像を見れば,この部の腫瘤は膵炎に由来するものとみなしてよい.図21は腹部中央から左側に拡がる腫瘤があり,これは先に記した膵周囲の空間に相当する.この内部には種々の大きさの低濃度部があり,さらにその中に多数の小円形の高度な低濃度影が見られ,これはガスといえる.すなわち,膵炎に続発した膵膿瘍である.
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