icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina18巻12号

1981年11月発行

文献概要

臨時増刊特集 臨床医のためのCTスキャン 腎臓

腎単純嚢胞と他病変との鑑別

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.2259 - P.2261

文献購入ページに移動
 腎の単純嚢胞は50歳以上の人口の50%以上に見られるとされ,非常に頻度の高い疾患である.筆者らの経験でも,腹部の他臓器を目標に行ったCT検査で偶然に発見されるものが多い.腎のmass lesionの95%以上は単純嚢胞であり,単純嚢胞であれば,無症候であるかぎりは治療を必要としないので,腎のmass lesionの診断にあたっては,単純嚢胞と充実性病変の区分を能率よく行うことが重要である.
 超音波断層は腎のmass lesionのスクリーニングにこのような目的で使われ,単純嚢胞の大部分のものは超音波断層で確診可能である.しかし,一方では,嚢胞壁に発生するような悪性腫瘍や,中心部の壊死,液化のために単純嚢胞との区別が困難な腎腫瘍の症例も存在することが明らかになってきたため,施設によっては,経皮的に腎嚢胞の穿刺を行い,内容液の生化学検査,細胞診,嚢胞内腔の造影も行われるようになりつつあった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?