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文献詳細

雑誌文献

medicina18巻13号

1981年12月発行

文献概要

今月の主題 肺機能検査から疾患肺へ 各種肺疾患と機能検査

心疾患—MSを中心に

著者: 石川皓1

所属機関: 1国立水戸病院・循環器科

ページ範囲:P.2082 - P.2084

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 僧帽弁狭窄症(MSと略す)の肺機能障害の主因をなすものは肺うつ血であり,この点では急性心筋梗塞,高血圧性心疾患などによる左心不全に共通する.すなわち左房圧の上昇に伴い肺静脈圧,肺毛細管圧(心カテーテル検査における肺動脈模入圧)は上昇し,怒張した血管による細気管支の閉塞,さらに間質組織,肺胞の浮腫により,換気機能,換気/血流分布,拡散機能は障害される.MSの特異な点は,肺静脈圧の上昇が長年にわたって徐々に生じてくるため,肺循環状態に適応する時間的余裕があることで,たとえばリンパ管の増大によるドレナージなどにより,急性心筋梗塞時にみられるような急性肺浮腫は生じ難い.MSにおいて臨床的に肺浮腫を証明する場合には,肺静脈圧はかなりの高値を示すものである.従来よりMSの重症度と肺機能障害とは相関するとされ,外科的適応の際の参考にされているが,近年従来の肺機能検査では正常域にある軽症のMSにおいて,細気管支領域に閉塞性障害を有することが示唆され注目される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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