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文献詳細

雑誌文献

medicina18巻2号

1981年02月発行

文献概要

今月の主題 心不全の動向 心不全の治療

補助循環の現況

著者: 古田昭一1

所属機関: 1三井記念病院・外科

ページ範囲:P.246 - P.249

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 日常行っている心臓手術のうち,開心術では,一時的に心臓の動きを止め,内腔をからにする必要がある.その間,心肺機能を代行するのが,人工心肺使用による体外循環法であり,心・肺機能が一時的に不全に陥った場合に,機械的に補助するのが補助循環である.同じ装置を同じ手段で用いても,目的が異なれば,補助循環と呼ばれることもあり,また人工心肺装置の使用による体外循環といわれることもある.
 人工心肺の開発はGibbonらにより1937年頃から行われ,臨床的成功は1953年であった.補助循環,とくに人工心臓の研究は,米国では1957年阿久津,Kolffらにより開始されている.しかし,臨床実施は1967年Kantrowitzらによりintra-aortic balloon pumping(IABP),1970年代になり膜型肺による呼吸不全の治療が開始された(ECMO).さらに,米国のNIHが,1975年より左心補助心臓を心臓手術後心機能の著しく低下した患者に限り使用することを許可したために,欧米を中心に補助心臓の臨床的使用が増加している(現在では100例以上に達しているものと推定される).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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