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Clinical topics
多発性骨髄腫の治療—最近の傾向
著者: 高久史麿1
所属機関: 1自治医科大学・内科
ページ範囲:P.498 - P.499
文献購入ページに移動 多発性骨髄腫は,かつてはきわめて稀な病気であるとされていた.しかし血清蛋白の検査,とくに免疫電気泳動の一般化に伴って,初期の多発性骨髄腫の診断が可能となり,疾患の経過が長期に及ぶことなどとも和まって多発性骨髄腫は現在では頻度の点でHodgkin病よりも多く,non-Hodgkin悪性リンパ腫に迫りつつある.それに伴って,治療に関しても著しい進歩がみられるようになった.かつて多発性骨髄腫に対する化学療法がほとんど行われなかった時代には,本疾患患者の平均寿命は診断時から7〜9ヵ月,症状の発現時から17〜19ヵ月とされていたのが,現在では数年にわたって生存する症例が稀でなくなった.
多発性骨髄腫の治療の進歩の上で重要な役割を果たしたのはメルファランmelphalanの開発と大量間歇療法の導入である.メルファランは長い間わが国では入手できず,本症を治療する機会が多いものにとって渇望の薬剤であったが,最近漸く市販されるようになった.
多発性骨髄腫の治療の進歩の上で重要な役割を果たしたのはメルファランmelphalanの開発と大量間歇療法の導入である.メルファランは長い間わが国では入手できず,本症を治療する機会が多いものにとって渇望の薬剤であったが,最近漸く市販されるようになった.
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