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今月の主題 臨床栄養学—最近の進歩 トピックス
肥満の原因と治療
著者: 片岡邦三1 鈴木彰1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部・内科
ページ範囲:P.577 - P.579
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肥満とは貯蔵脂肪が異常に増加した状態で,その成立には種々の要因があげられているが,究極の原因は摂取熱量>消費熱量という条件にある.
摂食の調節 食事の摂取と体重の短期ならびに長期の調節は外側視床下部(LH)の摂食中枢と,腹内側視床下部(VMH)の満腹中枢の支配によるというのが定説である.視床下部以外の摂食の機構も知られているが,結局は視床下部を介する.しかし最近,従来の定説を支持できないとする反論もある.たとえば摂食に関してはLH自体よりもLHを通るドーパミン作働性の黒質線条体路が重要であるとする説,飽食に関してはVMHを縦に通過する系路(起始と終末は不明であるが,少なくとも前視床下部と旁室核が関与する)を重視する説などである1).
肥満とは貯蔵脂肪が異常に増加した状態で,その成立には種々の要因があげられているが,究極の原因は摂取熱量>消費熱量という条件にある.
摂食の調節 食事の摂取と体重の短期ならびに長期の調節は外側視床下部(LH)の摂食中枢と,腹内側視床下部(VMH)の満腹中枢の支配によるというのが定説である.視床下部以外の摂食の機構も知られているが,結局は視床下部を介する.しかし最近,従来の定説を支持できないとする反論もある.たとえば摂食に関してはLH自体よりもLHを通るドーパミン作働性の黒質線条体路が重要であるとする説,飽食に関してはVMHを縦に通過する系路(起始と終末は不明であるが,少なくとも前視床下部と旁室核が関与する)を重視する説などである1).
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