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臨床薬理学 薬物療法の考え方・4
投与方法のきめ方
著者: 中野重行1
所属機関: 1愛媛大学医学部・薬理学
ページ範囲:P.665 - P.674
文献購入ページに移動 薬物投与によって薬理作用が出現するためには,薬物が作用部位に有効濃度を超えて到達する必要がある.また,作用部位における薬物濃度は,血中薬物濃度に依存している.すなわち,一般に血中薬物濃度が高いほど作用部位における薬物濃度も高く,したがって作用は強く発現し,逆に血中薬物濃度が低いほど作用部位における薬物濃度は低く,したがって作用は弱く出現することになる.このように,血中薬物濃度と薬理作用の出現のしかたに密接な関連性が認められる場合(すなわち "on/off" typeの薬物の場合)には,血中薬物濃度-時間曲線と薬理作用との関連性は,図1に示すようになる.もちろん,すべての薬物がこのような "on/off" typeではなく,たとえばreserpineのように血中薬物濃度と薬理作用との間に時間のずれが生じ,しかも血中薬物濃度が低下した後も作用が持続するという,いわゆる "hit andrun" typeの薬物も存在していることは,よく知られているとおりである.
さて,同じ薬物の同一用量を経口投与した場合の血中薬物濃度-時間曲線には,種々の条件により差異が生じうる.たとえば,剤型のちがい,摂食の有無,同時に使用するほかの薬物,種々の疾患による影響などがあげられる.
さて,同じ薬物の同一用量を経口投与した場合の血中薬物濃度-時間曲線には,種々の条件により差異が生じうる.たとえば,剤型のちがい,摂食の有無,同時に使用するほかの薬物,種々の疾患による影響などがあげられる.
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