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プライマリ・ケア
集団検診の諸問題(2)
著者: 梅園忠 山手慎吾 日野原重明1
所属機関: 1聖路加看護大学
ページ範囲:P.734 - P.739
文献購入ページに移動日野原(司会) 前回のお話で感じましたことは,集団検診のときに,ドックに準じる検査がついでに行われるという時代になったのだなということです.これは,過去30年間の非常な進歩だと思います.その反面,新しい問題として感じますことは,かなり多くの人を短期間に検査するため,一人一人にはあまりゆっくり時間を提供できないということです.
それからもう1つは,集団検診の場合には普通は体重,血圧を測り,そして検査ということになり,いわゆる診察はないわけですね.ただ小児の検診のときに雑音があり,先天性心疾患が疑われる場合には聴診しますが,普通の検診の場合には,いわゆるphysical examinationというのはあまりありません.しかし,最も初期の集団検診は,physical examinationの集団検診だったわけです.レントゲンを撮らなくても身長・体重の測定と同じように聴診器を使い,打診・触診をし喉を診るということが,ルーチンになっておりました.それがだんだん検査に重点が置かれ,レントゲンを中心にして血液や尿の検査をするということになり,なるべく時間をとらないで簡単にできる検査がはやってきたということです.そういう意味では,被検者の全体を診るのでなく部分だけを診ているわけです.
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