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文献詳細

雑誌文献

medicina18巻8号

1981年08月発行

天地人

ロマンチックなカメ

著者:

ページ範囲:P.1449 - P.1449

文献概要

 以前に,月夜の晩に海岸に這い上り,砂地深く卵を生み落した後,別れがつらくて涙をボロボロ流すカメの話を書いたことがある.実は,余分な塩分を排出するための生理的現象であるといってしまえばそれまでだが,月の光にキラリと光るカメの涙はいかにもロマンチックな情景である.ところが,カメのセックスはもっとロマンチックなことも知っているだろうか.
 カメは,巨大な爬虫類が棲息していた頃からほとんど形を変えずに生きているから,おおよそ1億年近くも,急がず,自分の生活ペースを守りながら生き続けていることになる.また,どの動物よりもカメは長生きする.カメのいかにものんびりした生き方を,忙しく生きる現代人がぜひ学ぶべきなのかもしれない.そのスローぶりはカメの交尾行動にも現われているのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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