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文献詳細

雑誌文献

medicina18巻9号

1981年09月発行

文献概要

今月の主題 ウイルス肝炎のトピックス ウイルス肝炎の予防

B型肝炎ウイルスの母児感染遮断

著者: 矢野右人12

所属機関: 1国立長崎中央病院・消化器科 2長崎大学熱帯医学研究所・防疫部門

ページ範囲:P.1548 - P.1549

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 B型肝炎ウイルス(HBV)の感染が成立すると急性肝炎として発症するが,劇症肝炎を除き成人では予後良好で,慢性肝炎あるいはHBV持続保持者(HBV carrier state)に移行する例は原則的になく,約2ヵ月で完治する.一方,わが国には約300万人と推定されるHBV carrier stateが存在し,その由来は幼小児期でいまだ免疫能が完成していない時期のHBV感染によることが次第に判明してきた.これらのHBV carrier stateの時期,実体が明確にされているのは母児感染についてのみである.感染源,そして感染の時期が明確にされている母児感染は,生まれてくる児の方向が運命づけられることでもあり,その予防対策は緊急かつ重大な課題となってきた.ここでは自験例を中心に,HBV母児感染の予防対策について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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