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文献詳細

雑誌文献

medicina18巻9号

1981年09月発行

今月の主題 ウイルス肝炎のトピックス

慢性B型肝炎の治療

Adenine Arabinoside療法

著者: 渡辺省三1 市田文弘2

所属機関: 1新潟大学医学部・第3内科 2新潟大学医学部・内科

ページ範囲:P.1556 - P.1558

文献概要

 Adenine arabinoside(9-β-D-arabinofuranosyladenine,ara-A)はin vitroで広範なDNAウイルスおよびある種のRNA腫瘍ウイルスに対して抗ウイルス活性を有する合成purine nucleosideである.その作用機序の詳細については不明な点もあるが,生体内で燐酸化を受け,ara-AMP,ara-ADPを経てara-ATPとなって競合的にDNA合成を阻害すると考えられている.また,ADPがdADPへ変化する反応を触媒するadenosine diphosphate reductaseをも阻害するといわれている.
 低濃度のara-Aでは細胞のDNA合成に比してウイルスDNA合成がより選択的に抑制されることが,ヘルペスウイルスを用いた実験成績から得られている.さらにara-Aが個体の液性および細胞性免疫機構のいずれをも抑制することが少ないとの報告もある.これらの知見はara-AがDNAウィルス感染症に対して有用な抗ウイルス剤となることを示している1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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