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図解病態のしくみ 消化器疾患・19
急性膵炎の診断—Amylase/Creatinine Clearance Ratio(CAm/Ccr Ratio)の診断的特異性とその問題点
著者: 松枝啓1
所属機関: 1国立病院医療センター・消化器内科
ページ範囲:P.1587 - P.1592
文献購入ページに移動 急性膵炎の診断基準は,従来より腹痛を伴う血清および尿中アミラーゼの上昇,または尿中アミラーゼの上昇がみられる場合とされてきた.しかしながら,血清および尿中のアミラーゼの上昇は,後述するように急性膵炎以外の多くの疾患または状況においてみられ,急性膵炎の確定診断が困難なばかりか,その診断自体の信頼性に疑問が残ることが少なくない.したがって,より特異性の高い急性膵炎の診断法として登場してきたのが,Amylase/Creatinine Clearance Ratio(Cam/Ccr Ratio)である.すなわち,急性膵炎においてAmylase/Creatinine Clearance Ratio(CAm/CCr Ratio)が特異的に上昇することを,1975年にWarshawとFulerが報告して以来,多くの臨床家により"新しい急性膵炎の診断法"として使用されてきた。今月号では,この急性膵炎におけるAmylase/Creatinine Clearance Ratio(CAm/Ccr Ratio)の上昇のpathogenesisを述べることにより,その診断的特異性および問題点について述べたい.
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