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文献概要
今月の主題 内分泌疾患—今日の知識 境界領域
腺腫様甲状腺腫
著者: 小原孝男1 藤本吉秀1
所属機関: 1東京女子医科大学・内分泌外科
ページ範囲:P.38 - P.40
文献購入ページに移動 腺腫様甲状腺腫は,甲状腺組織を中心に濾胞上皮の過形成とコロイド貯留が起こり,そこに出血,壊死,結合織増生などの2次的退行性変化が加わり,過形成と退行性変化とがくり返し起こることによって,多発性結節の型をとる疾患である.したがって,腺腫や癌など本来の腫瘍性病変とは区別して取り扱う必要がある.
欧米の教科書をみると,その病因にはヨードの摂取不足,先天性代謝異常,あるいは食物中のgoitrogen摂取などによる甲状腺ホルモン産生性の低下と,それに続くTSH分泌亢進が関与しているとされている.こうした症例では,まず思春期にびまん性の甲状腺腫が生じ,それが長期間継続して,中年以降になって,甲状腺全体に多発性結節が形成されるという過程をとるものが多い.
欧米の教科書をみると,その病因にはヨードの摂取不足,先天性代謝異常,あるいは食物中のgoitrogen摂取などによる甲状腺ホルモン産生性の低下と,それに続くTSH分泌亢進が関与しているとされている.こうした症例では,まず思春期にびまん性の甲状腺腫が生じ,それが長期間継続して,中年以降になって,甲状腺全体に多発性結節が形成されるという過程をとるものが多い.
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