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文献詳細

雑誌文献

medicina19巻10号

1982年10月発行

文献概要

今月の主題 自律神経失調症—心身症としての考え方・扱い方 類縁疾患との鑑別

腹痛・下痢

著者: 中川哲也1

所属機関: 1九州大学医学部・心療内科

ページ範囲:P.1770 - P.1771

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 自律神経失調症という病名は,患者が種々の身体症状を訴えるにもかかわらず,それを説明できるような器質的な病変が認められないとき,主として内科系の医師によって用いられてきた.しかし,このような患者が精神科医の診察を受けると,神経症やうつ病と診断されることも多かったようである.実際に神経症やうつ病の場合にも,種々の自律神経症状を呈することがあるので,このような場合は,本来の自律神経失調症から除外されるべきであると思われる.
 さて消化器系における自律神経失調症状としては,腹痛,悪心,嘔吐,下痢,便秘,食欲不振などがあり,これらの症状は寒冷,疲労,運動などの刺激によっても生じるが,臨床的にもっとも密接なかかわりがあるのは情動ストレスによる場合である.それゆえ,消化器の自律神経失調症状に対しては,心身医学的な配慮を忘れてはならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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