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文献概要
今月の主題 高血圧症—今日の知識 成因
昇圧因子—レニン・アンジオテンシン系
著者: 日和田邦男1
所属機関: 1愛媛大学医学部・第2内科
ページ範囲:P.1938 - P.1940
文献購入ページに移動血中レニン活性やアンジオテンシン(以下ANG)の測定法が開発され,これら物質の血中レベルと血圧値との間に有意な相関が認められなかったことから,R-A系は本態性高血圧において昇圧系として重要な役割を演じていないのではないかといわれた時期もあった.しかしR-A系遮断剤,すなわちANGⅡ拮抗剤,レニン分泌抑制作用をもったβ遮断剤,さらには内服可能なアンジオテンシン変換酵素(以下ACE)阻害剤の広範な臨床応用の成績から,本態性高血圧維持にR-A系が昇圧系として大きな役割を演じていることが明らかとなった.ANGⅡ拮抗剤(外国ではサララシンがよく使われている)を本態性高血圧患者に持続注入すると,本剤にはアゴニスト作用があるため約15〜20%の患者(高レニン性の患者)にしかANG依存性は認められなかった.
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