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文献詳細

雑誌文献

medicina19巻11号

1982年11月発行

文献概要

講座 異常値の出るメカニズム・55 酵素検査・15

血清アルドラーゼとイソクエン酸脱水素酵素(ICD)

著者: 玄番昭夫1

所属機関: 1中央鉄道病院・中央臨床検査室

ページ範囲:P.2071 - P.2076

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アルドラーゼとICDの臓器分布
 アルドラーゼとICDは,図1に示すように前者は解糖系(嫌気的)の,そして後者はTCAサイクルの反応に関与する酵素である.
 とくにアルドラーゼは腫瘍マーカーとして最初に登場した酵素として臨床的に有名であるが,この酵素は図1に示したようにD-果糖1,6-二リン酸(FDP)の可逆的分解を行うもので,したがって正式な名称はfructose-bisphosphate aldoase(EC 4.1.2.13)と呼ばれる,しかしこの酵素はD-果糖一リン酸(FIP)にも作用してこれをジヒドロキシアセトンリン酸とアルデヒドに分解する(図1).図2のようにアルドラーゼはとくに骨格筋に多いが,アルドラーゼにはA型(骨格筋型),B型(肝型),そしてC型(脳型)という3種類の基本的なサブユニットが含まれており,図3のようにこれらが4個重合した四量体(テトラマー)が各アルドラーゼであって,このように全部で,9個のアルドラーゼアイソエンザイムが存在する1).すなわち脳,肝には各5種類のアイソエンザイムが存在し,そのうちA4型(AAAA)のみが共通のアイソエンザイムである,そして骨格筋にはこのA4型という純種のアイソエンザイムが1個存在するにすぎないが,このA型アルドラーゼを多く含む骨格筋ではFDPを好んで基質にし,F1Pより50倍も早い速度でFDPを分解する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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