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文献詳細

雑誌文献

medicina19巻11号

1982年11月発行

文献概要

米国家庭医学の発展・3

家庭医学はなぜ必要か—家庭医学の信憑性

著者: 木村隆徳1

所属機関: 1伊予病院

ページ範囲:P.2112 - P.2113

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 全米の医師の中で家庭医として実地診療にあたる者の割合は1940年の76%から1974年には18.3%と最低に落ちました1).このようなプライマリ・ケア担当医の急速な減少と,医療費が高騰して経済のバランスと国民負担の限界が問題になりだしたという実情は,細分化した医療システムへの患者の当惑と重なりあって,現代医療の能率性を強く要求し,米国ではそれが1966年にMillisとWillardの両報告書の形で表現されたわけです.
 1980年に米国で,医師過剰を予告した卒後医学教育国家助言委員会(Graduate Medical Education National Advisory Committee)の会長W. Jack Stelmachは米国家庭医学会の前会長でしたが,医師過剰の事態が到来しても家庭医はその基本目的,つまり,思慮深く,優れた,熱心な医師として,いかなる患者・家族に対しても常に援助を差しのべられるものであることを忘れてはいけないと説き,家庭医学という専門科の存続のためには医学部周辺での基盤を固め,教師の数と質を改善し,より意義ある研究をなし,卒後教育プログラムのすべてに優秀性と有用性を育成し,学部レベルでも活発に活動し,専門医試験と再試験過程の内容に信憑性を育成し,レジデント教育プログラムの財政的支持を安定・持続的なものとしなければならないといいます.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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