medicina19巻12号

1982年12月発行

臨時増刊特集 目でみるトレーニング―新作問題248題とその解説 問題

皮膚症状（53〜64）

著者： 斉藤隆三¹ 柏崎禎夫² 石川英一³ 朝田康夫⁴

所属機関： ¹北里大学医学部・皮膚科 ²北里大学医学部・内科 ³群馬大学医学部・皮膚科 ⁴関西医科大学・皮膚科

ページ範囲：P.2176 - P.2191

　43歳，男性．3年前に右頬部の境界鮮明な紅斑に気付き，軽度掻痒感があった．次第に拡大するとともに周辺部は浮腫性に隆起，中央部は陥凹し，一部は自潰し，後に浅い瘢痕となる．表面に軽い鱗屑をみる（図1）．ほかに皮疹はなく，自覚症状はない．発熱や関節痛などの全身症状はない．白血球数5,300，血沈3mm/h，総蛋白7.2g/dl，γ-グロブリン15.4％，CRP（－），STS（－），抗核抗体（－），ツ反10×10mm，病巣部の病理組織所見を図2に示す．角質増生，表皮基底細胞層の液状変性，巣状のリンパ球浸潤をみる．
　この症例で考えられる疾患は次のうちどれか．